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茶碗は、ちゃわん/一杯目

食べ終わったご飯茶碗に、お茶を入れて飲むことが多いです。
湯呑みがない訳ではないけれど、子供のころからそうしていたので
今も何となくやってしまう。
たいていは、大袋で買うほうじ茶。
食器洗いの前にさっと沸かした湯を注いで、香ばしい味にお腹も落ち着く気がします。

「ごちそうさまでした」「おそまつさまでした」

ご飯茶碗で飲むお茶は、食事時間の句点のよう。
はい、おしまい、次の時間。

ふだんの生活で「ちゃわん」というと、
ほとんどの人がご飯をよそう器のことを想像すると思います。けれど茶碗は、ちゃ/わん。
お茶も入れるし、ご飯もよそう、何でもない広口の器。
毎日使い、一番身近だからこそ、正直たいして考えることもない器。

二つの茶碗

いま使っているお茶碗は、5年くらい前に購入した小ぶりの粉引茶碗(上写真の左側)です。
その前の茶碗は、蝶が一匹飛んでいる蓋つきの古物でしたが、割れてしまいました。
今は蓋だけが残って、豆皿として使っています。

買い替えるのを機にいいものを新調しようと、
勇んで地元で開催されたクラフトフェアへ行ったものの、見つかりません。
何だか負けた気持ちになって、その帰り道、立ち寄った商店街のお店にあったのです。

2つ揃いで買い求められるくらいの値段で、大きさもちょうどよく、
何よりその日買えたことに、ほっとした気持ちになりました。
店先に重ねて陳列されていて、値札が貼ってある以外、
産地も窯も、誰が作ったかも書かれていません。
たずねれば教えてもらえたでしょうが、たずねなくても良かったのです。

食後のお茶を飲むにもぴったりで、うっすらとついた茶渋が、いわゆる「育ってきた」感じ。
茶碗は今日も洗いカゴの隅で、平気な顔をしてうずくまっています。