倉敷市玉島清心町商店街

たましまあるき その4

12月になると、いつもの店のかたわらに、紅白のふちどりをした抽選窓口がぽっかりあらわれます。『大倉敷歳の市』、倉敷市内の倉敷・児島・玉島・水島の商店街で行われる、恒例の年末大売り出し。その期間中(2022年は12月1日~28日)に買い物をするともらえる補助券10枚で、抽選クジが1回ひけるのです。
手作り感満載のレトロな窓口でのクジ引きは、年末の買い物ついでのお楽しみ。毎回ハズレなんだよなぁと思いつつ、向かう足取りは軽くなり、ちょっとワクワクします。「おねがいします」と補助券をわたして、紙クジのいっぱい入った箱に手をつっこむとき、ついつい当てたい欲が出て、指先で選んでいる自分。
抽選窓口には、いろんな人が交代でいます。ほとんどは商店街でお店をひらいている人でしょうが、ときに制服姿の学生さんがちょこんと座っていたこともありました。三角形のクジをハサミで切ってもらうほんの少しの間、窓口を照らすデスクライトや、足元に置かれたストーブが目に入る。この窓口当番を、年末の日常の一部としてくりかえす、商店街の暮らしというものがあるのだなと、ふと思います。

倉敷市玉島にも、たましまあるきその2でご紹介した羽黒神社を中心としたエリアに、銀座商店街、通町商店街、清心町商店街という商店街が3つ。むかしは神社のある小山のふもとにぐるりとお店が立ち並び、その辺りも栄町商店街、港町商店街と呼び習わしていたようです。銀座と名のつく商店街があることからも、当時はお店がひしめき、華やかでにぎやかだった界隈のようすが想像できます。

この町を訪れるきっかけが、「商店街」だったという人は案外多いのかもしれません。
買い物や食事、商店街にある行きたいお店をめがけて。
また、朝市や祭りなど、商店街が会場の一部となるようなイベントをのぞきに。
はたまた、商店街というものが好きでそのもの見に。

やっぱりあのたたずまいには魅力があるのです。お店にいつもの人がいて(店主不在で、居合わせた常連さんや隣のお店の人がちょっと待ってて!と応対してくれるなんてこともたまにあり)、その営みの体温を近くに感じられるからでしょう。同じ場所、決まった時間にちゃんとお店が開いている。それは商売だから当たり前、とも言えない。時短や休業の貼り紙ばかりを目にしてきたあとで、その当たり前がつくづくありがたいことだと思います。近頃はたしかにお店も少なくなっているけれど、そんな中でも新しいお店が加わったりして、町に彩りを与えてくれる、商店街。
今年もちゃんと抽選窓口は、めでたいムードを漂わせながらあらわれて、いよいよ年の瀬です。