路地と廃屋
昔っからここに住んでいるわけではないので、知らないことだらけである。
代々ここに暮らしている人や、そこまで古くなくても
「ここに住んで・・・?はー、もう50年とは言わんわなー・・・」と、遠い目をして話し出す方々にしてみれば、うちなど、ついこの間引っ越してきたようなものだろう。
でも、長くここに住まれている人たちにはメジャーすぎて、あまり語られなくなったような話しが、
私にはえらく新鮮。
例えば、
・天城に芝居小屋があったこと。
・メインストリートにお好み焼き屋があり、インベーダーゲームが置かれていたという話。
・盛綱橋が盛綱橋という名前になったいきさつ。
などなど。
遠い記憶を探ってこぼれ出た話しを拾い集めてみたい。
・・・語ってくださる皆さんがお元気なうちに。
今月は私の好きな「路地」について。
狭い、生活感のある路地が好きである。
陽の光は両脇の建物に遮られてあまり入らず、その代わり夏でも涼しい風が通り抜けて、ひんやりするところがいい。
そこを通らないと、通った人でないとわからない空気感や小さな発見があって、わくわくする。
やや薄暗い路地の先に切り取られたように見える、向こう側の風景がすごく良かったり。
表通りからは見えなかった2階部分に、趣のある欄干が付いていたり。
この路地を入ってすぐのところにある建物が以前から気になっていた。
夏はもっと緑が茂っていて、近寄りがたい威圧的な佇まいだったが、
涼しくなって植物が減った分、全体がわかりやすくなった。
ここだけレンガ造りの門構え、木の重厚なとびら。
壁を這う植物も、この建物を魅力的に見せる重要な要素になっている。
美しい・・・
(前回も書いたけれど、美に対する感覚は人それぞれだもんで・・・( ^ω^))
うれしくなってたくさん撮ったが、路地は狭く塀は高く、
撮りたいところがなかなかうまくファインダーに収まってくれない。
私が感じた感動、うまく伝わりますかねぇ・・・