ぶつかりながら進行中3

海

ぶつかりながら進行中3です。

「おこしいれ展」を開く場所は、企画の全景が固まる前に決まっていた。
たまたま見ていたインスタに、海が見える古民家の写真が流れてきた。去年の秋のことだ。
その瞬間、他の場所は考えられなくなった。タイミングよく店主が近場でイベントをされていたので、さっそく会いに行き、見学させてもらう約束をして帰った。

大きく海に向かって開かれた窓から、穏やかな瀬戸内の海が見渡せる。
思った通りの、すばらしい場所だった。
そして思ったより広かった・・・。
この古民家周辺には人が歩いておらず、家もこの古民家を含め3軒だけだった。後ろは山、前は海。
コンビニやスーパーなど、生活必需品を売っている地域からも離れているようで、通りすがりに立ち寄るなど望めそうになかった。要するにうんと頑張って集客しなければ、人が来ないということだ。この古民家の管理者も「いや〜、いいところなんですけど、集客が大変なんですよ〜」と明るく言うくらいだから、間違いない。
しかも、ここまでの道はたいそう狭く、曲がりくねっているうえ、時々バスが対向してくる。
我が家からも遠く、運転が苦手な私は、行き帰りだけでへとへとになってしまった。それでも、ここを諦めたくなかった。

海が私を呼んでいた(^^)V