ガラスの蚊やり
『空想たましま世界』―平成生まれの彩乃さん文:やすはら りの 蚊も登って来ない高層フロアで、冷房でつめたくなった肩をさすって「もう、夏かー」と、ため息と一緒に小さく言葉を吐き出す。声が出にくい。 出社前に淹れてきたお茶を …
『空想たましま世界』―平成生まれの彩乃さん文:やすはら りの 蚊も登って来ない高層フロアで、冷房でつめたくなった肩をさすって「もう、夏かー」と、ため息と一緒に小さく言葉を吐き出す。声が出にくい。 出社前に淹れてきたお茶を …
神社の階段を登りきると、瓦屋根の連なる景色が見えます。 古くなって色むらがある瓦は、趣があっていい。 最近は薄焼きのおせんべいのような屋根材に、ソーラーパネルが乗った屋根ばかりで こんな美しい屋根は、なかなか見られなくな …
うちからそう遠くないところに、ガラス作家・山下理恵さんの工房はあります。高台の坂道の途中に大きな桜の木があって、そこから見える畑の中にあるので坂道を通る時には工房がよく見えます。 天井の高い工房の中はレンガの窯。丸く開い …
八十八夜が過ぎた。 立春からゆびおり数えて、いよいよ種まきの時期になる。 かたく乾いた種を水に浸けると ぬるんだ春の水をゆっくり吸い込んでいく。 種の中のでん粉が分解される。 糖がエネルギーになる。 新しい細胞が生まれる …